差動増幅器のシミュレーション
古典制御について復習するがてら、周波数領域の設計を考えたりするアナログ回路を少し再勉強しようと思った。
オペアンプの基本
1年前講義で聞いた時は全然理解していなかったのだが、以下の3つのルールを使うといいらしい。
ひとつ目はいわゆる仮想接地の原理。2つ目は知識不足なのでよく分からない。
反転増幅回路
1つめのルールから+端子が接地されているため、-端子も電圧が0になる。2つめのルールから-端子には電流が流れないので、電源からの電流はVoutへ向かって流れる。その電流は V1/R0であるから、
であり、入力電圧を反転して出力する。
非反転増幅回路
+端子に電源が直接接続されているので、1つめのルールから-端子にも電源電圧がかかる。したがって2つめルールより電流はVoutからグラウンドへと流れる。その電流値は V1/R1であるから、
となり、増幅率は正である。
差動増幅回路のシミュレーション
図のような差動増幅回路の計算をしてみる。
オペアンプの両端子の電圧は等しいのでとすると、上下について分圧を計算すると
よって分子が等しいので
なので図の回路は
- V3だけオフセットをのせた上で
- V2を基準として(V1 - V2)を増幅する
- 増幅率はR0/R1
ということになる。
ここで次のような回路を設計したいとする。
- 入力 : V
- 出力 : V
- 入力と出力は同相
図の差動増幅回路を使うとすると、V2=0としてV1に信号をのせ、R1=1kΩ、R2=4kΩとすれば入力を増幅できる。またオフセットは5VなのでV3=5Vとすれば良いと思われる。LTSPICEでシミュレーションした結果が以下。
波形をプロットすると以下のようになり、きちんと同位相でオフセットをのせた上で4倍できていることが分かる。